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メダカも実は外来種⁉
(R5.3.28更新)
これまで、メダカとカダヤシのちがいをしょうかいしてきましたが、今回はメダカについてもう少ししょうかいしたいと思います。
野生のメダカと売られているメダカ
前回までの記事で、メダカは絶滅危惧種といって、数が減っているという説明もありました。
しかし、ペットショップやホームセンターなどで売られているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
やさしいひとはこう思う人もいるかもしれませんね。
「あれ?売っているメダカを買って、にがしてあげれば数も増えるんじゃない?」
これはゼッタイにやってはいけません!
売られているメダカはもともといるメダカとは同じようでいてちがうのです。
売られているメダカのほとんどは人が育てやすいようにだったり、きれいに見えるよう、品種改良されています。
前回までの記事で、もともとそこにいる生き物を在来種や在来生物といい、後から人の手で運ばれてきた生き物は外来種や外来生物というと説明しました。
池や川にもともといる野生のメダカにとって、にがされた売られているメダカは後から人の手で運ばれてきた外来種のようなものなのです。
売られているメダカは今はまだ外来種とはされていませんが、国外から持ちこまれた外来種や、国内の生き物を別の場所にうつすことによる外来種に加えて、「第3の外来種」とする動きもあるようです。
売っているメダカをにがすとどうなるの?
同じいきものでもすむ場所によってちがう
同じ種の生き物でもすんでいる環境は同じとは限りません。
メダカの場合、川のように流れのある場所にすむものもいれば、池のようにほとんど流れがない場所にすむものもいます。
また、すむ場所によって水の温度やきれいさがちがう場合もあります。
では、すべてのメダカが川でも池でもすめるのかというと、そうではありません。
メダカの中にも流れが強いところにすめるものもいれば強すぎるとすめないものもいるのです。
メダカはその場所にすめるように、親から子へ、子から孫へと少しずつ、長い時間をかけて体の形やとくちょうを変えてきたのです。
そんな中、売っていたメダカをにがすとどうなるのでしょう?
可能性1 子や孫が死んでしまう
売っていたメダカも、もともといたメダカも同じ種なので子どもを作ることはできます。
生まれた子は親のとくちょうをもって生まれます。
もし親がすむ場所に合わないとくちょうを持っていて、子がそのとくちょうを受けついだ場合、その子は死んでしまうかもしれません。
たとえば、寒いところでは死んでしまうメダカが春ににがされ、もともといたメダカと子を作ったとき、生まれた子どもとにがされたメダカは冬の寒さにたえられず、死んでしまうかもしれません。
また、親のとくちょうは必ず子に現れるわけではなく、孫に現れることがあります。そうすると、その孫が死んでしまうことがあります。
このように、長い時間をかけてその場所でくらせるようになったメダカの群れに別の群れを入れるとそのバランスがくずれてしまうかもしれないのです。
可能性2 病気になる
自然の中にはいろいろな菌やウイルスなどの目に見えない小さな生き物がいます。
場所によってすんでいる生き物はちがいます。
メダカをにがすと、いままでそこにはいなかった菌やウイルスが入りこみ、もともといたメダカが病気になり死んでしまうかもしれません。
メダカを守るためにと思って、売っているメダカをにがすことは逆にもともといるメダカにとって良くない場合があるということが分かっていただけたでしょうか。
それではわたしたちがメダカを守るためにできることは何か考えてみましょう。
守るためにできること
安定したすみかをこわさない
生き物のすみかは大きいところもあれば小さいところもあり、時間がたつとそこにいる生き物はある程度安定します。
自然は安定しているようで、実はもろく、そこに人の手が加わると、予想もしない悪影響が起きる可能性があります。
たとえば、すみかがせまくかわいそうだからといって、すみかを広げると、広すぎてオスとメスが出会えず子が作れなくなったり、水質が変わって生きていられなくなったりする可能性があります。
ですので、すでに安定したすみかになるべく人の手を加えないようにしましょう。
ペットなどをにがさない
メダカに限らずペットをにがすことで自然にあたえる影響は少なくありません。
わたしだけならだいじょうぶと思ってにがすようなことは絶対にやめましょう。
ペットを飼うときはまずはじめに最後まで飼いきれるかを考えましょう。
少しでも不安があれば、飼うことをあきらめることも守ることにつながります。
そして飼い始めたのなら、最後まで責任をもって育てましょう。
さいごに
3回にわたってメダカに関する記事をお送りしましたが、いかがだったでしょう。
メダカとカダヤシのちがいや同じメダカでも売っているものと野生のものではちがうのだということが分かってもらえましたか?
それぞれのちがいを知り、自然との関わり方について考えてみましょう。
作成:カワラバトのぽっぽ
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