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ジャンボタニシとドハデなピンクの卵

(R4.5.31配信

 

みなさんは田んぼの近くを歩いていて、ピンク色のつぶつぶを見たことはありませんか?

4月~9月ごろに田んぼやそのまわりの水路を見るとピンク色のつぶつぶがまとまってかべやイネの高いところについていることがあり、とてもめだちます。

あれ、実は貝のたまごなんです。

この卵の正体はスクミリンゴガイという外国から来た貝です。

今回はこのスクミリンゴガイという貝についてしょうかいします。

 

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)とは

もともと日本にいるタニシ(マルタニシ)という貝のなかまにているので、ジャンボタニシとばれることもありますが、スクミリンゴガイはタニシのなかまではありません。

南アメリカにいたものを食べるためやペットにするためにれてきたところ、にげたりてられたりしたものの一部が野生化し、すむ場所を広げています。

この貝のすごいところはなんといってもたまごむ数!!

なんと、2~3か月で数千もの卵を産むそうです。

※ちなみに、タニシは卵を産まず小貝を産みます。

  • スクミリンゴガイ
    卵を産んでいるところ

  • 長いしょっ角(黒い〇)が2本、短い触しょっ角(赤い〇)が2本あります。からの形(青い〇)はまん丸(白い〇)に近いです。

  • 体が出る口の部分のからのはば(黒の線)が広く、後のはば(赤と青の線)がせまいです。

  • 水の中にいる様子

 

大きさ

50~80mm

見られる場所

田んぼ、池、水路など

食べもの

草や魚の死体など

とくちょう

・スクミリンゴガイはリンゴガイ科ですがタニシはタニシ科です

・からにはきれいなすじもようが入ります。

・卵は水につかると死んでしまうため高いところに産みます。

・からの1しゅう目(体が出る口の部分)のはばが広く、体全体が丸いです。

 

スクミリンゴガイにた生き物たち

スクミリンゴガイはジャンボタニシといわれるようにタニシのなかまに似ています。

ここからは堺市でみられるスクミリンゴガイに似た生き物をしょうかいします。

 

日本のジャンボタニシ⁉ オオタニシ

  • 水の中にいる様子

  • からはまん丸(右の〇)より、だ円形や三角形に近い形をしています。

  • 短いしょっ角(白い〇)を2本持ちます。からのはばのちがい(黒の線と青、黄の線)はスクミリンゴガイほど大きくないです。

  • オオタニシのから

 

大きさ

60~80mm

見られる場所

川、池、水路など

食べもの

草や魚の死体など

とくちょう

・日本の池や川にいる巻貝まきがいのなかで一番大きいです。

・水のりょうが多いところにいるため、田んぼにはあまりいません。

・大きな貝がいれば、オオタニシかスクミリンゴガイのどちらかで、丸ければスクミリンゴガイ、細長ければオオタニシです。

 オオタニシはしょっ角が2本で、スクミリンゴガイは長いものが2本、短いものが2本の合わせて4本なので、そこでも見分けられます。

 

小さいタニシのヒメタニシ

  • 水に入れたところです。

  • からはまん丸(右の〇)よりだ円形や三角形に近い形をしています。

  • 短いしょっ角(白い〇)を2本持ちます。からのはば(黒の線と赤の線)のちがいはスクミリンゴガイほど大きくないです。

  • タニシなどをならべたところです。左から、カワニナ×2、スクミリンゴガイ×1、ヒメタニシ×2、オオタニシ×2

大きさ

20~30mm

見られる場所

田んぼ、池、水路など

食べもの

草や魚の死体など

とくちょう

・オオタニシと形は似ていますがオオタニシやスクミリンゴガイより小さいので見分けがつきます。

・水がきたなくても生きることができます。

 

スクミリンゴガイは田んぼのきらわれ者?

スクミリンゴガイは子どもをのこすために必死ひっしです。だから色んなものを食べます。

草や魚の死体を食べるのですが、とくにやわらかい草がきで、植えたばかりのイネを食べます。

イネといえばお米のことです。イネを食べられるとお米が作れなくなり、わたしたちヒトにとってとてもこまったことになります。

また、元から田んぼにいる生き物も急にやってきたスクミリンゴガイにすみかをうばわれたりしています。

なので、多くの田んぼでスクミリンゴガイはきらわれ者になってしまいました。

 

 

外来種がいらいしゅ問題について考える

スクミリンゴガイのようなほかの場所から来た生き物を外来種といいます。

外来種の多くはヒトの食べものとしてやペットとしてなど、ヒトの手でれてこられるものがほとんどです。

外来種の中にはこのスクミリンゴガイのように元からいる生き物やヒトのくらしにとって悪いことをするものもいます。

スクミリンゴガイも、元からいる生き物やわたしたちのくらしを守るためにくじょされています。

仕方がないといえばそれまでですが、かれらもなりたくてきらわれ者になったのではありません。

そうした生き物にしてしまったのはわたしたちヒトなのです。

そんな生き物をやさないためにできることはなんでしょう?

一人一人でできることは、たとえばペットは絶対ぜったいににがさないということです。

スクミリンゴガイのようなかわいそうなことにならないようにしないといけませんね。

 

作成:カワラバトのポッポ


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