かわいいだけじゃない!?チョウのひみつ
(R6.9.6配信)
かわいいだけじゃない!?チョウのひみつ
みなさんが思いうかべるチョウはどのようなイメージがありますか。
花のみつをすい、ふわふわとんでいるようすはとてもかわいらしく、きれいな翅は
アクセサリーなどのデザインのモチーフになるほど人気が高い昆虫だと思います。
しかし、そんなチョウですがただきれいなだけではありません。
じつはチョウの中でも毒をもつチョウがここ堺市にもいます。
そこで今回のいきもの新聞では、かわいいだけではないチョウのひみつを紹介します。
堺市でくらしている毒をもつチョウ
・アサギマダラ
台湾などの暖かい地域から北に飛んできて日本の夏を高地で過ごし、
世代交代しながら秋には南のほうにもどっていくチョウです。
もようはまるでステンドグラスのようにきれいですが、このきれいなもようは毒を
もっていることを知らせる<警告色>と言われています。
なぜ毒をもつようになったのか、それはアサギマダラが幼虫のころに食べるものに関係しています。
チョウの幼虫は基本的に植物の葉を食べますが、どの植物を食べるかはチョウの種類によって
ちがいます。それぞれのチョウが食べる植物のことを食草といい、アサギマダラの食草はガガイモ科
のキジョラン、カモメヅル、イケマ、サクラランなどです。
これらのアサギマダラの食草は毒性の強いアルカロイドという成分をふくんでいます。
その成分を幼虫のときからとりこむことで毒化して敵から身を守っています。
・ジャコウアゲハ
ジャコウアゲハの幼虫が食べるウマノスズクサがはえている場所で見られます。
ジャコウアゲハは全体的に少なくなってきていますが、ジャコウアゲハが好むウマノ
スズクサは最近では垣根や庭木として植えられているので都市部でも見られます。
ジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサという毒のある植物を食草としており、
幼虫のあいだにその毒を体の中にため、捕食者が食べると中毒をおこすと考えられています。
ちなみにジャコウアゲハのおかげで身を守ることができているチョウもいます。
そのチョウは、クロアゲハやオナガアゲハ、アゲハモドキなどです。
このチョウたちはジャコウアゲハに似ていてそのおかげで毒はなくても捕食者から狙われにくくなることができます。
このように毒をもっているもののまねをして身を守るもののことを「ベイツ型擬態」といいます。
アサギマダラとジャコウアゲハの毒の使い方
このチョウたちはハチやクモのように毒ばりや毒のキバを使っておそうわけではありません。
鳥などの捕食者がこのチョウを食べようとしたときに毒の味がしてまずいと感じ吐き出します。
そしてこのチョウはまずいものだと分かった捕食者は、「もうこのチョウは狙わないでおこう!」となります。
毒をもっているからといってぜったいに狙われることはない、ということはありませんが狙われる数は減らすことができます。
それこそが毒を持つチョウたちの生き残るための力なんです!
毒を持つチョウを見つけたら・・・
今回紹介した毒をもつチョウたちは人やほかの生き物をおそうために毒を持っているわけではありません。
鳥などの捕食者から身を守るために持っています。
また、ジャコウアゲハは堺市レッドリストCランクのため見つけてもそっと見守ってあげてくださいね!
作成:ミシシッピネコミミガメ
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