ワルモノの「実は…」ブラックバス編
(R5.9.22配信)
ワルモノ?の「実は…」ウシガエル編、アメリカザリガニ編、アカミミガメ編に続く第4弾!
18年前の2005年に特定外来生物に指定されたオオクチバスやコクチバスをふくむブラックバスをしょうかいします。
他の生き物や生き物たちのすみかに大きなえいきょうをあたえることで知られている外来生物。
しかし、もともとすんでいた場所では、かれらも“在来生物”でした。
人によって運ばれたり、荷物についてきてしまったりして移動しただけ。
そんな元・在来生物たちは、新しい場所で外来生物となり、一部は
ブラックバスのプロフィール
分類
スズキ目サンフィッシュ科オオクチバス属の淡水魚(北アメリカ原産)
主な種としてオオクチバス・コクチバスがいる。
大きさ
成魚で30~50cm、場所によっては60cm以上になるものもいます。
ちなみに(重さの)世界記録を出したブラックバスは琵琶湖で釣り上げられ、大きさは長さ73.5cm、重さ10.13kgでした。
見られる場所
ほぼ日本全国の川や池、湖、ぬまなどさまざまな水環境に生息しています。
おどろいたことに、堺市では田んぼでも、ち魚(子ども)が確認されています。
とくちょう
- 10年から15年生きます。
- ブラックバスは肉食で、小魚やエビ・カニなどを主に食べていますが、セミやハチなどのこん虫、カエルやイモリなどの両生類、アヒルのヒナなどの鳥や、ネズミなどの小型ほにゅう類まで食べます。
- ブラックバスが生きることのできる水温は、約3℃〜38℃と言われています。その中でも、22℃〜27℃で元気に泳ぎ回ると言われています。
- 目がよく、色を見分けることができ、かなり素早く動くものについても目で追うことが出来ると言われています。
- 耳は人間とほぼ同じくらい聞こえているといわれています。
- 口の上に小さな4つの穴があり、そこでにおいを感じ取っています。
「実は…釣りのターゲット・食用として日本にやってきました」
ゲームフィッシング・食用として
ブラックバスは、ゲームフィッシングのターゲットやかんたんに養殖できる魚であることから食用として、1925年に神奈川県の芦ノ湖にはじめて放流されたと言われています。
その後、各地の湖や池などへ試験的に放流され、ブラックバスの分布が広がっていったとされています。
一方で、ブラックバスが在来生物の魚類・こん虫類などを食べまくってしまい、生態系への影響が問題視されるようになりました。
しかし、その後も各地での放流が続き、生息域は広がり、1980年代前半には、ほぼ全国で確認されるほどになりました。
食いしんぼうの知りたがり!
ブラックバスは肉食で、口に入るものは何でも食べてしまうほどの異次元の食欲を持っています。
大きくなるとその生息域で最強の生き物、生態系の頂点とも言える存在となります。
魚のなかまの中では長生きもすることから、そこに生息している在来生物を食べつくしてしまうかもしれないこともあり、生態系への影響が心配されています。
とりわけ、日本最大の湖である琵琶湖では特に被害が大きいと考えられています。
アユ、ビワマス、ホンモロコ、ゲンゴロウブナ、ニゴロブナ、ビワヒガイなどのとれる量が少なくなっており、ブラックバスに食べられたことが原因の一つだと考えられています。
また、ブラックバスは知りたがり(好奇心旺盛)だと言われています。
色んなものに興味を示し、口を使ってどんなものかを確かめます。
なので、えさに見えないものにも食いつくことがあるようです。
そのため、ルアーという魚のえさに似せた釣り具を使ったバスフィッシングが大人気となっているようです。
ルアーにはブラックバスがいつも食べているえさにそっくりなものもあれば、食器のスプーンの先の丸い部分に似た、えさには見えないようなものまでいろいろなものがあります。
ブラックバスは食べることができるの?
ブラックバスは食べることはできるのでしょうか。
見た目は海水魚のスズキに似ていますが、池や川にいる魚なので、やはりにおいやくさみがないか気になりますよね。
しかし、もともと食用として北米から日本に入ってきたと言われているだけあって、身も多く、意外にも美味しく食べることができるようです。
ていねいに下処理されたブラックバスの身はあっさりとしていて、どのような料理にも使いやすいようです。
素材の味を楽しみたい場合は、塩焼きにするのがおすすめのようですし、バター焼きやムニエルなどでおいしく食べることができるようです。
まるでフランス料理の食材のようですね。
ブラックバスを食べるときに気をつけなければならないのは、寄生虫(がっこう虫)の存在です。
これによる健康被害も報告されているため、ブラックバスは生で食べないでかならず加熱して食べるようにしましょう。
でもやっぱり日本ではワルモノ
ゲームフィッシングのターゲットとして人気があるブラックバスですが、日本にもともとすんでいた生き物たち(在来生物)を食べたり、在来生物のすみかをうばったりする侵略者です。
その拡大を止め、日本の生態系を守るために、2005年に特定外来生物に指定されました。
そのほかにも釣ったブラックバスをリリースする(にがす)ことを禁止する条例が定められるなどの取り組みが行われてきましたが、その勢いを止めることはできていないように感じます。
ブラックバスに罪はありませんが、日本の生態系を守っていくために、これからもかれらを駆除していく取り組みが必要です。
作成:ヘラオオ85
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