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外来生物の「実は…」

(R6.6.19配信)

みなさんは「外来生物」ということばを聞いたことがありますか?

外来生物といえば、ブラックバスやアメリカザリガニ、アライグマにセアカゴケグモなどがいます。

どれも一度は聞いたことがある生き物ではないでしょうか。

この外来生物たち、いったいどんな生き物かというと、その漢字のとおり、「外から来た生き物」です。

もう少しくわしく説明せつめいすると、「もともとすんでいなかった所に人が持ちこんだ生き物」を外来生物といいます(「外来種がいらいしゅ」ともいいます)。

ちなみにタヌキやメダカ、スズメなどのようにもともといる生き物を「在来生物ざいらいせいぶつ」といいます。

いま、この外来生物たちがえていることで、在来生物がピンチなんです。

今回の記事では在来生物をピンチにしている外来生物たちについてくわしく説明していきます。

 

外来生物はなぜやって来た?

外来生物はもともといなかった生き物で人が運んできたと説明せつめいしましたが、いったいなぜ運ばれてきたのでしょうか。

ウシガエル

食べるために

たとえば、ウシガエルは食べるためにれてこられました。

そして、やすために池などで育てていたものがにげてどんどん増えていったのです。

ペットとして

アライグマやアカミミガメ(ミドリガメ)はペットとして連れてこられました。

ただ、いきれなくなった人がにがしてしまったものが野生化し、今ではほぼ全国に広がってしまいました。

遊びのため

ブラックバスは大きいものだと60センチ以上いじょうにもなる魚です。

そんな魚が近くの池や川でつれたら楽しいのでは・・・

そう考えた人たちがいろいろな川や池にはなして広がっていきました。

知らないうちに

ドクを持つことで知られるセアカゴケグモやヒアリといった虫は人が気づかないうちに荷物にまぎれて船や飛行機ひこうきに乗ってやってきます。

 

他にも、毛皮にするためや、農業に使うため、エサにするため、庭に植えるためなど、いろいろな理由でやってきているのです。

 

外来生物はどこにいる?

いろいろな外来生物がいろいろな理由でやってくることが分かりましたが、やってきた外来生物はいったいどこにいるのでしょう?

ミシシッピアカミミガメ

身のまわりは外来生物だらけ

実はわたしたちの身のまわりにはたくさんの外来生物がいます。

とくに都会では外来生物が多く、まちなかにいるハト(ドバト)は外来生物です。

また、池でたくさん泳いでいるカメの多くはミシシッピアカミミガメといって、外来生物です。

さらに、道ばたに生えているざっ草の多くも外来生物なんです。

タンポポだって外来生物かもしれません(堺市には在来ざいらいのカンサイタンポポと外来のセイヨウタンポポがいます)。

いったいどれだけの外来生物がいるのか・・・日本にいる外来生物はやく2000しゅだとか!?

 

在来生物ざいらいせいぶつはなぜピンチ?

食べられる在来生物

外来生物の中には大きな生き物や大食いな生き物がいます。

たとえばブラックバス(オオクチバス)は池や川にいるメダカやアユなどの魚をバクバク食べてしまいます。

川や池にすむ魚の中では大きい魚なので、生きていくにはたくさんのエサ(メダカなど)が必要ひつよう

なので、たくさんの魚が食べられてしまいます。

 

また、アライグマはいろいろなものを食べます。

なので、カエルやサンショウウオなどの小さな生き物や木の実などの植物など、いろんな生き物が食べられてしまいます。

外来種に食べられ、へっているメダカ

 

すみかをうばわれる在来生物

在来生物は食べられるだけでなく、すみかをうばわれることもあります。

たとえば、外来の植物の中にはナガミヒナゲシやセイタカアワダチソウなどのように、体からほかの植物が育ちにくくなるガスを出すものがいます。

また、アレチウリのように大きく成長せいちょうして他の植物に太陽の光が当たらないようにしてからしてしまう植物もいます。

こうした外来生物によって、在来生物はすみかをうばわれてしまっているのです。

 

やがていなくなる(絶滅ぜつめつする)在来生物

こうして外来生物に食べられ、すみかをうばわれた在来生物はどうなるのでしょうか。

どんどん数がへっていき、最後さいごの1体がいなくなる…それを絶滅といいます。

絶滅した生き物がもとにもどることはありません。

ニホンカナヘビ

 

わたしたちのくらしにもワルさをする外来生物

外来生物は在来生物をピンチにするだけではありません。

わたしたちのくらしもピンチにするのです。

たとえば、ヌートリアは水辺みずべにすむ生き物で、巣穴すあなをほるために土手に穴をあけることがあります。

そうすると、大雨でこう水が起きやすくなることがあるのです。

また、アライグマは農作物が大好だいすきなので、畑のスイカやカボチャなどが食べられたりします。

セアカゴケグモはドクがあるので、かまれると大変たいへん!とってもイタイだけでなく、命にかかわる場合もあります。

クビアカツヤカミキリはサクラの木を食べてからしてしまいます。サクラがかれると春にお花見ができなくなってしまいますね…

このように、外来生物は在来生物にとってもわたしたちヒトにとってもワルさをするものが多いです!

 

外来生物のじつは・・・

在来生物ざいらいせいぶつをまもるため、わたしたちヒトのくらしをまもるためにワルさをする外来生物はやっつけないといけません。

ですが…ひとつ思い出してほしいことがあります。

外来生物ってどんな生き物でしたか?

そう、外来生物は「もともとすんでいなかった所に人が持ちこんだ生き物」なんです。

知らないうちについてきた生き物もいますが、外来生物の中には人によってれてこられたものも多いです。

そうした外来生物は知らない場所で生きるために食べ、自分のすむ場所を作り、身を守るためにドクを持っているのです。

それがほかの生き物にとってよくないことになってしまっている…外来生物もワルさをしたいわけではなく、必死ひっしに生きているだけなのです。

外来生物は本物のワルモノではないのだということを知っておいてください。本当にワルいのは外来生物を連れてきてしまった、わたしたちヒトなのです。

おりにつかまったアライグマ

 

外来生物をやさないために

ここまでで外来生物は在来生物ざいらいせいぶつやわたしたちヒトにワルさをするものもいるけれど、ただ生きているだけの本物のワルモノではないということが分かってもらえたのではないかと思います。

こうした外来生物をこれ以上いじょう増やさないためには何ができるのでしょうか。

まず一番大切なことは、外来生物について「知る」ことです。どんな生き物がいて、どんなワルさをしているのかを知ることが大切なのです。

ただ、ここまで読んでくれたひとは外来生物についてだいぶ知ってもらえたかと思うので、次に大事なことをしょうかいします。

次に大事なのは、外来生物にかんする被害ひがい予防よぼうする3原則げんそく、「入れない」、「てない」、「ひろげない」です。

 

外来生物を「入れない」

外来生物が増えないようにするには新しい外来生物をれてこないことが大切です。

もともとそこにすんでいない生き物がヒトの活動によって入ってこないようにしなければいけません。

 

ペットなどを「てない」

っているペットをにがした時、そのペットはもともとそこにいなかった生き物、つまり外来生物になります。

そうならないよう、ペットをにがさないことが大切です。

ペットを飼う時は最後さいごまできちんと飼いきれるかしっかり考えましょう。

少しでも自信じしんがなければ飼う前にあきらめることも勇気ゆうきのある行動です。

 

いまいる外来生物を「ひろげない」

すでにいる外来生物がこれ以上いじょうにひろがって、より多くの在来生物にワルさをしないようにすることが大切です。

数をへらしたり、移動いどうできないようにしてひろがらないようにすることが重要じゅうようです。

 

ナガミヒナゲシ

堺市の取り組み

外来生物についてのじつは…なことについて知ってもらえたでしょうか。

さいごに、堺市では外来生物についてさまざまな取り組みを行っています。

ここではその取り組みを一部しょうかいします。

 

堺市さかいし外来種がいらいしゅアラートリストの作成

外来生物(外来種)のなかでもとくにわたしたちや在来生物ざいらいせいぶつなどにワルさをする生き物をリストにした外来種アラートリストを作成しています。

アラートリストにえらばれた生き物を中心に外来生物についての取り組みを行っています。

 

堺いきもの情報館でのモニタリング

この堺いきもの情報館では、市民しみんのみなさんからの「いきもの発見報告」によって、どこにどんな生き物がいるのか情報じょうほうを集めています。

その中にはアラートリストに選ばれている外来生物についての情報もあるので、堺市の中で情報を共有きょうゆうしています。

 

駆除くじょ体験たいけんイベント

外来生物についてもっと知ってもらうために、ブラックバスやブルーギルをつって駆除するイベントなどを行っています。

 

いきもの新聞などでの情報発信はっしん

この記事もそうですが、いきもの新聞では堺市内の生き物についての情報を発信しています。

その記事にはクビアカツヤカミキリやブラックバスなどの外来生物についてくわしくしょうかいした記事もあります。

 

いきもの発見報告や駆除体験イベントなど、参加さんかいただける取り組みがあれば、ぜひご参加ください!

 

今後もいきもの新聞では外来生物についての記事を更新こうしんしていきますので、そちらもぜひ読んでくださいね♪

つぎの記事では外来生物のなかでもとくにヤバいやつ…「特定とくてい外来生物」についてしょうかいします!

『ワルモノの「実は」…特定外来生物へん』はこちら

 

作成:カワラバトのポッポ


~あわせて読もう~

ワルモノの「実は…」アメリカザリガニ編

ワルモノの「実は…」ウシガエル編

ワルモノの「実は…」アカミミガメ編

ワルモノの「実は…」ブラックバス編

ワルモノの「実は…」ブルーギル編

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