生物多様性ってなに?
あなたのまわりにはどんな生き物がいますか?
バッタや魚、鳥、ヘビ、カエル、イヌやネコ…さがしてみるといろいろな生き物がいます。
タンポポやヒマワリといった植物も生き物です!
たくさんのしゅるいの生き物がいたり、同じしゅるいの生き物でも、もようや大きさがちがったりすることを多様性といいます。
生き物は水のなかや草むら、まちや森など、いろいろなところにいて、おたがいに「食べる・食べられる・ともに生きる」などのつながりをもちながら生きています。このように、いろいろなところでいろいろな生き物がおたがいにつながりをもって生きていることを生物多様性といいます。
すみやすいところがふえて、生き物のしゅるいがふえたりすると、生物多様性は高まります。反対に、すみやすいところがへって、生き物のしゅるいがへったりすると生物多様性は下がります。
生物多様性に大切なのはつぎの3つのことです。
この3つがバランスよくゆたかになることで、生物多様性は高まります。
生態系の多様性
生き物と生き物がすむ場所のまとまりを生態系といいます。生態系の多様性とは、森や川、海、草むらなどのいろいろな生態系があることです。草むらなどがふえて生態系がゆたかになると、生態系の多様性は高まります。堺市にもいろいろな生態系があり、それぞれにその生態系にあった生き物がいます。
種の多様性
種の多様性とはタヌキやスズメなどの動物、タンポポやイチョウなどの植物、カビやキノコなどの菌や細菌といわれるび生物にいたるまで、いろいろなしゅるいの生き物がいることです。生き物のしゅるいがふえれば種の多様性は高まります。地球上には、1,000万種とも3,000万種ともいわれる生き物たちがいます。また、堺市にも、やく6,000種の生き物がいます。
遺伝子の多様性
遺伝子とはその生き物のすがたやかたち、もようなどを決めるものです。遺伝子の多様性とは、同じ種の生き物でもちがう遺伝子をもつことで、かたちやもようなどにいろいろなちがいがあることです。たとえば、貝のアサリは同じ種であってもその貝がらにはいろいろなもようがあります。
生物多様性のめぐみ
わたしたちは生物多様性からさまざまなめぐみをもらって生活しています。
米や魚、肉、野さいもすべて生き物からできたものです。
森があることで、水をきれいにしてくれたり、さいがいから守ってくれたりすることもあります。わたしたちが息をするのにかかせない空気(さんそ)をつくってくれているのも生き物です。
絵をかくときにつかう筆は動物の毛でできているものもあり、えんぴつは木からできています。
生物多様性が高まれば高まるほどいろいろなめぐみをもらって生活ができます。
反対に、生物多様性が下がればどうなるのでしょうか。
たとえば、木がなくなると、えんぴつやノートがつくれなくなるので、文字を書くこともできなくなるし、学校のつくえやいすをつくることもできなくなります。また、木がなくなると、空気がたりなくなって、息ができなくなるかもしれません。ほかにもいろいろな悪いことがおきて、生活しにくくなってしまいます。
ほかにもたとえてみましょう。もし虫のミツバチがいなくなるとどうなるでしょう?
ミツバチだけでなくハチのなかまは毒をもっているものが多く、さされるといのちにかかわることもあるので、きらいな人も多いかもしれません。
ですが、ミツバチはわたしたちにとっていいことをしてくれるので、益虫とよばれています。
ミツバチがしてくれるいいことのたとえをいくつかしょうかいします。ミツバチは花のみつをあつめて巣にためるのですが、そうしてあつめたものをハチミツとして、わたしたちの料理やお菓子作りなどに使っています。また、巣のなかではたくさんの栄養をふくんだローヤルゼリーが作られていて、それを食べ物や化粧品に使っています。それだけでなく、植物のなかにはミツバチなどの虫がみつをあつめるときに体に花粉をつけ、ほかの花のみつをあつめるときにその花粉がほかの花につくことでたねができ、数を増やすものもいて、ミツバチはほかの生き物が増える手助けもしています。(例:イチゴやナスなど)
このように人や自然にとっていろいろないいことをしてくれるミツバチがもしいなくなると、ハチミツやローヤルゼリーなどがとれなくなるだけでなく、ミツバチを食べる生き物の食べ物がなくなったり、ミツバチによって数を増やしている植物なども増えることができなくなったりして、いなくなるかもしれません。そうなると、その植物を食べる生き物も食べ物がなくなり、数がへったり、いなくなったりするかもしれません。
このようにたった1しゅるいの生き物でも、いることで役に立つことはたくさんあり、いなくなることでほかの生き物にあたえる影響はとても大きいです。なので、生物多様性を守ることは大事なのです。
生物多様性の危機
いま、生物多様性はわたしたち人間のせいでどんどん失われています。その原因は、4つあります。
開発などの人間活動
森の木を切りすぎたり、りくをふやすために海をうめ立てたりすることで、生き物のすむ場所がへっています。すみかがへると生き物の数もへります。また、毛皮にするためや食べるためにひつような分よりも多くの生き物をつかまえることなども生き物の数がへる理由の一つです。
自ぜんとのかかわりがへったこと
農業や林業をする人がへり、田んぼや林が手入れされずに放っておかれることがふえています。放っておくと、木がのびすぎて地面に近い植物に日が当たらなくなってかれたり、ざっ草がふえたりして、そこにすむ生き物のすみかがこわれてしまいます。
山を放っておくと大雨がふったときに土しゃくずれの原いんになったりするのでとてもあぶないです。
人間により持ちこまれたもの
ペットをかいきれなくなってにがしてしまったり、食べるために育てていた生き物がにげてしまったりして、もともとそこにいなかった生き物が人間によりもちこまれることによって、もともとそこにいる生き物が食べられたりすみかをうばわれるなどし、こまっています。
地球環境のへんか
生き物はわたしたちのように夏にエアコンですずしくしたりすることはできません。なので、地球全体が温だん化によってあつくなりすぎるとたくさんの動物や植物が死んでしまうかもしれません。